この記事は2年前に受けた美容整形のハムラ法(目の下のたるみ取り)の手術の体験談(回想録)です。
ハムラ法手術を担当した美容外科医から目の修正手術の申し出があったときの状況を、当時の日記や写真を元にしながら詳しく書いています。
ハムラ法の手術をした医師から修正手術の申し出
ハムラ法(目の下のたるみ取り)の手術をしたことで下瞼が外反して目が閉じられなくなったため、重症なドライアイになって角膜に傷が付いてしまったことを手術した美容外科医に伝えたところ、目が閉じられるようするための修正手術を急遽させてほしいという申し出がありました。
眼瞼下垂ではない目を眼瞼下垂にする手術
修正手術の内容を医師に伺うと、上瞼の眼瞼をちょこっと下げるだけの簡単な手術だと言われました。
「眼瞼を下げるということは眼瞼下垂にするということですか?」と尋ねると、「そうです」と言われました。
つまり、眼瞼下垂ではない正常な上瞼をわざと眼瞼下垂にすることで瞼を閉じられるようにするという手術のようです。
眼瞼下垂の手術で眼瞼を短縮しすぎたために目が閉じられなくなったような際に、眼瞼を下げる(短縮しすぎた眼瞼を少し戻す)手術をして目を閉じられるようにするというのなら理解できます。
しかし、私の場合は、瞼が閉じられない原因は上瞼にあるのではなく、ハムラ法(下瞼のたるみ取り)の手術で下瞼が外反してしまったことが原因なので、上瞼を眼瞼下垂にすることで目を閉じられるようにするという修正方法には納得がいきませんでした。
それは修正というよりも、目が閉じられなくなってしまったことに対する単なる応急処置です。
それでうまく目が閉じられるようになっても、眼瞼下垂にしてしまった目は開きが悪くなります。
そうなると、見た目も悪くなるだけではなく、眼瞼下垂に伴う様々な不定愁訴に悩まされることになります。
そうなったらまたそれを治すために眼瞼下垂の手術をして、それでまた目が閉じられなくなったら眼瞼を下げる手術をして…というように、新たな場所を下手に触るとまたどんどん修正が必要になってしまうような気がしました。
なので、何もいじっていない場所はできるだけそのままにしておきたいと思いました。
「眼瞼下垂にしてでも今すぐに目を閉じられるようにしないと、このまま角膜の傷がどんどん増えて失明してしまいますよ」と医師は言いましたが、眼瞼下垂ではない健全な目を眼瞼下垂にしてしまうような手術に私はどうしても踏み切ることができませんでした。
手術費は無料ということでしたが、その修正手術はちょっと考えたほうがいいかもしれないと思いました。
医師にとっては簡単な手術でも患者にとっては簡単ではない
私がその修正手術を受けることを迷っていましたが、医師は、すぐにでもやらせてほしいと言って手術をすることをとても急いでいました。
目が閉じられないせいで角膜に傷がどんどん増えて、そのせいでもし万が一失明というようなことになってしまったら、目が閉じられなくなるような手術をしてしまったその医師の責任になってしまいます。
見た目が変になってしまったというような整形の失敗ならば、医師が責任を問われることは滅多にありません。
何故なら、見た目が変になっているかどうかという判断は主観によるところも大きいからです。
手術後の顔が誰が見ても明らかに変になっているような状態でも、その手術を担当した医師が変になっていないと言い張れば、失敗とは断言しにくくなります。
しかし、その整形のせいで機能が損なわれて失明してしまったというような場合には、医師としては逃げ場がありません。
なので、後々に問題を残すような応急処置的な手術であっても、医師は急いでやりたかったのかもしれません。
「ちょこっと眼瞼を下げるだけの簡単な手術なのですぐにやりましょう」
医師はそう言いましたが、目が閉じられなくなった原因であるハムラ法の手術をススメられた時もやはり、「目の下の脂肪をちょこっとずらすだけの手術だ」とその医師は言ったのに、実際にはかなり大変な手術で、目への負担も大きく、瞼が外反して目が閉じられなくなるという重大な症状まで引き起こしました。
なので、医師が言う「簡単な手術」の「簡単」という言葉はあまりアテになりません。
医師にとってはちゃちゃっとできる「簡単」な手術であっても、それが患者にとって「簡単」であるとは限らないのです。
医師は手術をしてそれで終わりですが、患者は傷の痛みとそのあと傷が治るまでの長いダウンタイムを強いられ、場合によっては一生後遺症を背負わなければならないのです。
修正手術は断りました
健全な瞼をわざわざ眼瞼下垂にするというような応急処置よりも、目が閉じられない直接の原因である下瞼を修正してほしいと私は思いました。
そのことを医師に伝えると、「下瞼に関しては傷が治ったら自然に改善されていくはずだからもう少し様子を見てほしい」と言われました。
具体的に期間をきくと「手術後1カ月」と医師は言いました。
「手術後1カ月で下瞼は本当に元通りの形になって目が閉じられるようになるんですか?」ときくと、「なります」と医師が言いました。
あと20日我慢したら改善するのであれば、目の角膜はできるだけこれ以上傷を増やさないように目薬などで対処しながら、なんとかこのまま頑張ろうと私は思いました。
応急処置の手術をしてそのことで問題が出たらまた手術で修正すればいい、というのがその医師の考えだったようですが、患者の立場からすればそれはたまったものではありません。
医師にとっては手術をするのは他人の身体で、そのことで何かあっても自分が苦しむわけではありませんが、患者にとっては手術されるのは自分の身体で、そのことで何かあって苦しむの自分ひとりです。
そういうわけで、医師から申し出があった修正手術(応急処置)はお断りしました。
医師としては、失明することを防ぐために修正手術を無料ですることを申し出たが患者が自分の意志で断った、いうことであれば、万が一のことがあったときでも責任は手術を断った患者側にあると主張できるので、それである程度安心できたのではないかと思います。
逆に言えば、私がその修正手術を断るということは、目が閉じられないことによって失明などの事態が起きてもそれはすべて自分の責任になるということですが、そういうこともよく考えたうえで、修正手術は受けないという結論を出しました。