二重整形の埋没法についての解説です。
埋没法はメスを使わないプチ整形で、手術時間も20分程度ですみ、腫れも比較的少なく、ダウンタイムも短く、費用も3万〜12万ぐらいと安いことから、最も人気のある整形です。
埋没法
埋没法の手術方法は、まぶたの1カ所〜3カ所に糸を通して二重まぶたを作ります。
糸はそのまままぶたの皮膚の中に埋没させて残します。
瞼板法と挙筋法
埋没法には、瞼板法と挙筋法という2種類の手術方法があります。
瞼板法
瞼板法は、瞼板という軟骨部分とまぶたの皮膚を糸を結んで二重を作る方法です。
- 瞼板法の長所
- 安定した二重まぶたを作れることができ、時間経過とともに二重幅がせまくなったり消えてしまったりする可能性が少ない。
- 腫れが少ない。
- 瞼板法の短所
- 糸が取れやすい。
- まぶたの裏に糸が出て眼球にあたりやすい。
挙筋法
挙筋法は、上眼瞼挙筋(上まぶたをあげる筋肉)とまぶたの皮膚を糸で結んで二重を作る方法です。
- 挙筋法の長所
- 天然の二重まぶたに近い構造になる。
- 糸が取れにくい。
- 糸がまぶたの裏に出てくる心配がない。
- 挙筋法の短所
- 腫れが長引く。
- 挙筋が傷んで眼瞼下垂になる可能性がある。
- 修正手術をする際に糸が取り出しにくい。
一点止め・二点止め・三点止め(1針法・2針法・3針法)
埋没法を行い際には、希望の二重の形に合わせて一点止め・二点止め・三点止め(1針法・2針法・3針法)を選択します。
更に多い四点止め、五点止め、六点止めもあります。
とめる箇所は多いほうが二重が安定するといわれていますが、必ずしもそうではないという意見もあります。
とめる箇所が多くなればなるほどまぶたの中の糸が多くなるので糸の感染などのトラブルが起きる可能性が高くなり、修正手術の際に糸を取り出すときも大変になるので、とめる箇所が多いほうがいいというわけではありません。
埋没法の手術の麻酔と痛み
埋没法の手術の際の麻酔は、点眼麻酔をしてから皮膚側と粘膜側に局所麻酔をします。
この局所麻酔はかなり痛いと感じる人もいます。
麻酔のあと、眼球を保護するための鉄の板を目にかぶせます。
このときもかなり痛いと感じる人がいます。
手術自体は麻酔が効いているので痛みはありません。
手術後もそれほど強い痛みが出ることはありません。
もし手術後にまぶたの中がゴロゴロしたりチクチクするような強い痛みがあるような場合にはまぶたの裏側から糸が出ている可能性もあるので、すぐに手術を受けたクリニックに受診したほうがいいでしょう。
埋没法の腫れ
埋没法の腫れは大きくわけて2つあり、1つは麻酔による腫れで、もう1つは炎症による腫れです。
麻酔によるまぶたの腫れはぷっくりとした腫れです。
この腫れは手術後数時間で引きます。
その後、手術の刺激による炎症でまぶたが腫れてきます。
この腫れは3日ぐらいで半分くらいになり、1週間〜2週間程でかなり落ち着きます。
埋没法の経過
埋没法の経過は、大きな腫れは3日ぐらいで、1週間〜2週間程でだいたいの腫れは引き、その後はむくみが徐々に引いていき、手術後1カ月でほぼ完成となります。
埋没法のダウンタイムは最短で3日ですが、万が一ひどい内出血が出たような場合は内出血が消えるまでに1カ月ぐらいかかる場合もあります。
埋没法の手術後まだ間がない頃は、腫れによって二重幅が広くなっています。
腫れが引くとともに二重幅は狭くなり、1か月後ぐらいにはほぼ予定通りの二重幅になります。
埋没法の二重が取れるまでの期間
埋没法の二重は永久的なものではなく、数年後に糸が緩んで二重のラインが消えてしまうケースが多いようです。
埋没法の二重が取れるまでの期間はだいたい3-5年ぐらいといわれていますが、10年以上取れない場合もあります。
糸がゆるんできたら、二重のラインが狭くなってきたり、二重のラインが不安定になってきて、そのうち二重のラインが消えてしまいます。
埋没法の失敗
埋没法は失敗が少ない整形手術だといわれていますが、まれに失敗や後遺症などがでることもあります。
二重の幅や形の左右差
二重の幅や形の左右差は元々のまぶたの状態に起因する場合もあるので、よほど大きな左右差がない限りは失敗とはいえません。
左右の目がまったく同じ形の人はほとんどおらず、人の目は必ずと言っていいほど左右差があるので、左右まったく同じ二重幅や二重の形にするのは元の眼の状態によっては不可能な場合もあります。
希望していた二重の幅や形と違う
埋没法の手術では、事前にシミュレーションした二重幅と手術後の仕上がりが大きくかけ離れることはほとんどないようです。
もしも予定していた二重幅になっていないような場合には、担当医に相談してみたほうがいいでしょう。
ただし、手術して間がない頃は二重幅がかなり広くなっているので、二重幅が広すぎると感じている場合には1カ月ほど様子をみたほうがいいでしょう。
糸の結び目のふくらみが目立つ
埋没法の手術では糸がまぶたの皮膚の下に埋め込まれているため、糸の結び目のふくらみが目立つ場合があります。
このふくらみは徐々に目立たなくなっていき、手術後半年ぐらいでほとんど目立たなくなることが多いようですが、中には半年たっても目立つ場合があります。
半年たってもまだ気になるような場合には担当医に相談してみましょう。
糸の結び目を目立たなくする方法としては、糸の結び目をまぶたの裏側で作る手術方法があります。
この場合は、結び目がまぶたの表面から見えることはないという利点がありますが、抜糸が難しいことや、糸がまぶたの裏側に出てきて眼球を傷つける可能性があるなどのデメリットがあります。
糸が透けて見える
まぶたの皮膚が薄い場合は、糸が透けて見える場合があります。
これは手術後半年ぐらいで目立たなくなる場合もありますが、半年たっても改善しない場合もあります。
傷跡のへこみ
埋没法の手術では糸を埋め込むためにまぶたに1〜2ミリの小さな穴を開けます。
手術直後は、この穴の傷跡がへこんで目立つ場合があります。
このへこみは徐々に目立たなくなっていき、手術後半年ぐらいでほとんど目立たなくなります。
しかし中には、半年たってもまだ目立つ場合もあります。
糸が出てくる
埋没法の手術を行ったのちに、糸がまぶたの皮膚から出てくる場合があります。
糸の結び目をまぶたの裏側で作る手術方法の場合は、まぶたの表面ではなく眼球側に糸が出てくる場合があります。
糸が出てきたら、病院に行って抜糸する必要があります。
眼球側に糸が出てきた場合には、そのまま放置すると角膜を傷つけてしまうので、目がゴロゴロっしたりチクチクしたり異物感があるような場合には、できるだけ早く病院に行って抜糸したほうがいいでしょう。
感染して炎症をおこす
埋没法の手術をしたのちに、糸に細菌が付いて感染し、まぶたが炎症をおこす場合があります。
まぶたが赤く膨れてきたような場合には、手術を受けた病院で受診したほうがいいでしょう。
目の開きが悪くなる
埋没法の手術後に目が開けにくくなったり、目の疲れや肩こりの症状が出る場合があります。
とくに挙筋法による埋没法の手術を行った際には、まぶたを開けるための筋肉が手術によって傷んで眼瞼下垂を引き起こす場合があります。
1〜2カ月ほどで改善する場合が多いようですが、もし1〜2カ月経っても改善しないような場合には抜糸が必要です。
まぶたの違和感
埋没法の手術をしてから、まばたきをするたびにまぶたから音がするというような違和感を訴える人や、眼球側に糸が出ていないのにまぶたがゴロゴロしたりチクチクするというような異物感が続く人もいます。
埋没法の手術をして以来、目やにが多くなったりドライアイになったという訴えや、頭痛や不眠を訴える人もいます。
それらの違和感は抜糸をすることによって、ほとんどの場合が改善しているようです。
埋没法の抜糸
埋没法は抜糸して元のまぶたの状態に戻すことができます。
手術後半年以内であれば、抜糸することで二重ラインが消えて元に戻ることがほとんどです。
ただし、手術してから長期間たっているような場合には、抜糸しても元に戻らない場合がります。
埋没法の抜糸は、まぶたに1〜2㎜ぐらいの小さい穴をあけて、そこから糸を取り出します。
埋没法の手術をしてから何年も経過しているような場合には、抜糸が困難な場合もあります。
埋没法の修正手術と再手術
埋没法の手術後、二重のラインが予定していたラインと違うような場合は、修正手術でラインを変更できます。
また、埋没法の手術をした後、二重の幅や形を変えたくなった場合も、再度手術を行うことで二重の幅や形を変えることができます。
再手術の際には、抜糸をして元のまぶたの状態に戻してから再度埋没法の手術を行う場合もありますが、抜糸をしなくても新たなラインを作れるような場合には抜糸をせずに再度埋没法の手術を行う場合もあります。
埋没法の手術を行ってから何年も経過しているような場合、抜糸が難しいケースもあるため、場合によってはで二重の幅や形を変える再手術が困難になるケースもあります。
埋没法(二重整形)のまとめ
埋没法は簡単なプチ整形だといわれていますが、手術後に違和感が続く人が多いのも事実です。
また、埋没法を行っても数年で糸がゆるんで二重が取れてしまい、そのたびに埋没法の手術を繰り返す人もいます。
前回に埋め込んだ糸を再手術の際に抜糸できればいいのですが、年月が経っていることで糸が見つけられず、抜糸せずに埋没法の手術を繰り返すことでまぶたの中に多くの糸が残ったままという状態になってしまう場合もあります。
まぶたの中に糸が入っていても何の症状も出なければ問題はないのですが、目がゴロゴロするような違和感が生じたような場合、原因となるまぶたの中の糸を簡単に取り出すことができず、ずっと違和感を抱えたまま我慢しなければならないというような事態も起こりえます。
埋没法は歴史が浅い手術なので、埋め込んだ糸を何十年もまぶたの中に残しておくことがどんなリスクを伴うのかは実際にはまだ判っていません。
なので、まぶたの中に糸を残しておくことが100%安全とは今のところ言い切れません。
そういう意味では、何十年も前から実施されている全切開やビーズ法などの二重手術のほうが安全といえるかもしれません。
実際に20年も30年も前にそれらの手術をして、目立った後遺症もなく二重まぶたも綺麗なままで維持している人が多数いるので、将来のことを考えると、昔からある手術のほうが安心感があります。
埋没法には埋没法のよさがありますが、デメリットもたくさんあるので、ただ単に手術が簡単で費用も安いというだけで埋没法を選ぶのではなく、埋没法以外の二重整形の手術方法もよく理解して検討したうえで、自分にもっとも適した二重整形の手術方法を選択することが大切です。